ちょっちアスカちゃん、その6
ううっ!
私が攻撃を食らうとはコイツなかなかやるわね。でももうおしまいよ、このアスカ様に負けるんですから。
ふふ、光栄に思いなさい、私の手にかかって倒されるんだから、バカシンジやファーストにこの役は譲らないわよ。
はあああ!
ザシュッ!
きゃっ!
コイツ、確かに手応えがあったのに効かない?それどころかカウンターを食らうなんて・・・・不覚ね。
ポロポロポロ
どうして涙が?悲しくないのに・・・・う、ううう・・・・・ひ、卑怯よ。精神を攻撃するなんて。
でも大丈夫よ、このくらいかすり傷だわ。それにアンタの攻撃は見切ったわ、私の勝ちよ。
くらえっ!
シュッ!
うぐぐっ!
はあはあ・・・どうして?見切ったはずなのに食らうなんて・・・・・はっ!攻撃が効いてない・・・・
ポロポロポロ
ま、まただわ、やめて涙が止まらない。こんなとこシンジやファーストに見られたくない・・・・イヤ・・・・
・・・・止まらない涙、どうすれば止まるの?コイツよ、コイツを倒すのみ!
はっ!
サッ!
うううっ!
ポロポロポロ
ちくしょう、どうして?どうして?
負けられない!負けられないのよ!!!
「アスカ〜、叫んでないで早くしてよ」
「うっさいわね、もうすぐよ」
「アスカ・・・下手ね、涙がでるなんて」
「しょうがないでしょうが、玉ねぎは涙がでるものなのよ」
台所、アスカは玉ねぎを切っていたのである。包丁を一回入れるごとに叫ぶので、両隣で調理をしているシンジとレイは五月蝿くてしょうがなかった。
「はあああっ!」
ザシュッ!
「あぎゃあ!」
目に染みる度に両目を押さえ体を仰け反らせた。
「コ、コイツ、なかなかやるわ」
「アスカ・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
二人は呆れている。
「どえええ!」
ザシュッ!
「うひゃあっ!」
「アスカ、テレビ見ていれば・・・・」
はっきり言って邪魔である。アスカが居てははかどらない。
「うっさいわね。コイツは私が倒すの!」
「・・・・はあ〜」
「碇クン、その内飽きると思うわ」
「そうだね」
レイの言葉に頷くシンジ、そして・・・・
「くらえええ!」
シュッ!
「う、うぎゃああああ!いたあああああい!」
指を切った。
「いたい!いたい!いたあい!」
わめくアスカ、シンジは慌てずに救急箱を用意する。
「いたいよ〜〜〜〜〜」
「アスカ、バンソウコウ貼るから騒がないで」
「いったいから、しょうがないでしょ。見てよ!こんなに血が出てる」
「・・・・・・」
シンジの目の前に切った人差し指を見せたが、呆れている。
「はいはい」
さらっと流してバンソウコウを貼った。アスカは大げさに騒いでいるが、ほんの一ミリくらい切っただけである。
「もう、やめた!後はアンタ達に任せるわよ」
アスカは蟹股でリビングに歩いていった。そして残された二人・・・・・
「アスカ・・・へっぽこね」
「そうだね、でも・・・・・・」
シンジはアスカが玉ねぎを切った場所を見ると、調理とは言えないほど乱雑に切り刻まれた玉ねぎが散らかっていた。
「これどうやって料理しようかな」
手伝うと言ったアスカであったが、ただ邪魔しに来ただけであった。
アスカちゃん、へっぽこすぎる(^^)
玉ねぎを切るだけで熱くなれるなんて。最高だよ!でも料理をしなかった(できない)のがマイナスでしたね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ちょっちアスカちゃん、その6